質屋で偽装したヤミ金が急増している

2010年に施行された改正貸金業法がきっかけで、ヤミ金業者が目をつけた商売が、質屋を装って融資を行う『偽装質屋』です。 特に高齢者や年金受給者といった収入の少ない方が、お金の工面で訪れるため被害が急増しているのです。

まず偽装とはいっても、質屋としてきちんと各都道府県の公安委員会の許可を得ている正規の質屋に、つてなどを使って接触し、お金を積むことで「支店」として営業しているといいます。

現在、貸金業者が守らねばならない改正貸金業法では、金利の上限が年20%と定められていますが、質屋営業法の上限金利は実に年109.5%なのです。 そこに目をつけたヤミ金業者が、偽装した質屋を介して、資金難の顧客に担保価値のない安価な物を質入させ、高金利でお金を貸す手口で営業しているのです。

通常の質屋であれば、返済ができなかった場合、預けた品物が流れてお金がチャラになる仕組みですが、商品価値とはかけ離れた金額を融資している偽装質屋では、質流れのシステムそのものがなく、完済するまで恐ろしい高金利でヤミ金業者に支払い続けるしかないのです。

偽装質屋がターゲットにしているのは、年金受給で生活をしている高齢者が生活保護受給者が多く、二か月に一度の支給日に銀行へ振り込まれる年金は格好の獲物となっています。 なぜなら年金は規則正しく二か月に一度銀行に振り込まれるため、返済を口座引き落としにするよう迫られ、年金が振り込まれた翌日には、高利息を含む多額のお金を『返済金』として業者が徴収してしまうのです。

■被害例
都内在住のKさん(75歳)は約3千円の腕時計を質屋に持参して10万円を借り受け、二か月分の年金15万のうち、翌日には返済金として12万が引き落とされた。3万円ではとても二か月後の支給日まで生活することができず、再度質屋を訪れて生活費を借り受け、高額な返済を迫られる結果となった。

生活苦を乗り越えようと質屋で資金調達を試みたはずの高齢者は、結果的に新たな生活苦から抜け出せなくなってしまうのです。

偽装質屋による被害者が急増していることから、警察では偽装質屋の取り締まりを強化しているようです。また消費者庁や金融庁などの各省庁や国民生活センター、全国質屋組合連合会、各地方自治体などが注意喚起を促していますが、なかなか現状は改善されていないようです。

知らずのうちに自身が被害にあっていたり、友人知人に被害者がいる場合は、業者にクレームを言ったり煽ったりせず、できるだけ速やかに警察や弁護士などの専門家へ通報&ご相談下さい。